抜け毛が増えたと感じたらまず知っておきたいこと
今年の夏が暑い影響なのか「最近髪のボリュームが減った」「洗髪時に手にまとまって抜ける」――そんな声が増えています。
抜け毛は年齢とともに起きる自然な現象でもありますが、短期間で急増する場合は生活習慣やホルモン、病気、ストレスなど複数の要因が絡んでいることが多いです。早めに原因を把握して対策を取ることで回復の確率が上がります。
抜け毛が増えている主な理由(原因別にわかりやすく)
- 加齢・遺伝:男性型・女性型脱毛(AGA/女性男性型脱毛症)は遺伝的要素とホルモン感受性が関係します。徐々に密度が減るのが特徴です。
- ホルモン変動:妊娠後・出産後、閉経、甲状腺疾患などホルモンバランスの変化は休止期脱毛を引き起こします。
- 栄養不足:たんぱく質、鉄、亜鉛、ビタミンD、ビタミンB群不足は髪の生成に影響します。ダイエットや偏食が要因になることがあります。
- ストレス・睡眠不足:精神的・身体的ストレスは髪の生周期を乱し、一時的な大量脱毛を招くことがあります。
- 薬剤・治療の影響:抗がん剤、血圧薬、抗うつ薬など一部薬剤は副作用で脱毛を起こします。
- 頭皮の状態・外的ダメージ:脂漏性皮膚炎、フケ、過度なカラー・パーマ、強いブラッシングやタイトなヘアスタイル(牽引性脱毛)などで抜けやすくなります。
- 環境要因:紫外線、乾燥、汚れやヘアケア製品の残留も頭皮を荒らし抜け毛を増やします。
自宅でできる簡単チェック(原因の目星をつける)
- 抜け毛の本数チェック:通常は1日50〜100本が目安。それ以上が続く場合は要注意。
- 抜ける毛の根元を見る:白い球状の毛根(休止期)か細い毛(成長期脱毛か否か)を確認。
- 頭皮の状態確認:赤み・べたつき・フケの有無をチェック。強いかゆみや炎症があれば皮膚科へ。
- 生活変化の確認:最近の食生活、睡眠、強いストレス、服用薬の有無を振り返る。
今すぐできる対策(短期〜中期で効果を出すための実践法)
1. 食事で栄養を整える
髪はたんぱく質が原料です。肉・魚・卵・豆類で良質なたんぱく質を摂り、鉄分(赤身肉・ほうれん草)、亜鉛(牡蠣・ナッツ)、ビタミンB群(全粒穀物・葉物)、ビタミンD(魚・日光)も意識しましょう。必要なら医師に相談して血液検査を受け、サプリを活用します。
2. 睡眠とストレスケア
良質な睡眠はホルモンバランスと毛周期を整えます。7時間睡眠が理想的。深呼吸、軽い運動、趣味の時間でストレスを軽減しましょう。
3. 頭皮環境を整える
低刺激のシャンプーで優しく洗い、皮脂過剰なら薬用シャンプーを検討。週に1回ほどの頭皮マッサージで血行促進、毛根への栄養供給を助けます(強すぎる力はNG)。
4. ヘアケア習慣の見直し
高温アイロンや過度なパーマ・カラー、きつい結び髪は避ける。摩擦を減らすためにタオルでは押さえるように水分を取る、広い歯ブラシでやさしくとかすなど日常動作を見直します。
5. 専門的な外部対策
市販の育毛剤(ミノキシジル含有など)は効果がある場合がありますが、副作用の可能性もあり、注意が必要です。医師の診断を受けた上で内服薬(男性のフィナステリド等)や外用薬を検討してください。
専門クリニックで受けられる治療と特徴
- 医薬品治療:ミノキシジル外用、フィナステリド内服(男性向け)など。効果が証明されているが継続が必要。
- 注入療法(PRP等):血小板由来因子で再生を促す。個人差あり。
- 低出力レーザー治療:頭皮の血流を改善し育毛をサポート。
- 植毛:永久的な解決を目指す外科的手段。適応や費用の判断が必要。
医師に相談すべきサイン
- 短期間で急激に抜け毛が増えた(数週間〜数か月)
- 頭皮に強い炎症、膿、強いかゆみがある
- 家族に同様の急激な脱毛の例がある
- 甲状腺疾患や自己免疫疾患の既往、検査異常がある
よくある質問(Q&A)
Q1:1日100本以上抜けると危険ですか?
A:個人差はありますが、通常50〜100本が目安です。継続して100本以上抜ける場合は原因を調べることをおすすめします。
Q2:女性でもフィナステリドは使えますか?
A:フィナステリドは原則男性向けで、妊娠中または妊娠可能な女性にはNGです。女性は医師と相談して別の治療(ミノキシジル外用やホルモン治療)を検討します。
Q3:サプリだけで改善しますか?
A:栄養補給は重要ですが、原因がホルモンや疾患にある場合はサプリのみでは不十分です。生活習慣と専門医の診断を組み合わせることが大切です。
Q4:育毛剤はすぐに効きますか?
A:一般に数ヶ月の継続使用で効果を判定します。早期に中断すると効果は出にくいため、指示に従って続ける必要があります。
Q5:頭皮マッサージは毎日しても良いですか?
A:血行促進に有効で、優しく毎日行って問題ありません。ただし炎症や傷がある場合は避け、痛みがあるなら中止して医師に相談してください。
Q6:ストレスだけで抜け毛がひどくなることはありますか?
A:あります。強いストレスは髪の生育サイクルを乱し、急激な大量脱毛(休止期脱毛)を引き起こすことがあります。ストレスコントロールが回復の鍵になります。
最後に
抜け毛の増加は複数の要因が絡むことが多く、自己判断のみでは的確な対処が難しい場合があります。
まずは生活習慣の見直しと頭皮ケアから始め、改善が見られない・急激に悪化する場合は皮膚科や専門クリニックで診断を受けることをおすすめします。
美容室での対応がとれる症状であれば良いので一度相談してみてください。
早めの対応で回復の幅が拡がりますので、気になったらすぐ行動を起こしましょう。