夏の紫外線が髪にもたらすダメージと今すぐ始める理由

強い紫外線はキューティクルを剥がし、内部のたんぱく質やメラニンを壊します。その結果、パサつき、枝毛、切れ毛、カラーの退色、ツヤ喪失といった症状が現れます。

見た目に出た時点で内部ダメージが進行していることが多く、放置すると回復に時間がかかるため、夏の終わりでも早めに修復ケアを始めることが大切です。

紫外線で起きる具体的なダメージ

  • キューティクルの剥離:表面がざらつき、摩擦でさらに悪化します。
  • たんぱく質の分解(シスチン結合の切断):髪の強度が低下し切れやすくなります。
  • メラニンの破壊:カラーの褪色や黄ばみが進行します。
  • 水分・油分の喪失:乾燥・広がり・静電気の原因になります。
  • 酸化ダメージ:艶が失われ、手触りが硬くなります。

自宅でできるダメージチェック

  • 指で髪をすべらせ、ザラつきや引っかかりがあるか確認
  • 毛束を引っ張って切れやすさをチェック
  • 毛束を水に入れて沈みやすければ多孔性でダメージが進行
  • 短期間でカラーが色落ちするか観察

ホームトリートメントの具体的手順(毎日・週・月の目安)

1. プレオイル(シャンプー前)

毛先を中心にアルガンオイルやホホバオイルを少量なじませ、5〜10分置くと洗浄時の栄養流出を抑えられます。頭皮ではなく毛先中心に。

2. 優しいシャンプー

SLS等の強い洗浄成分を避け、保湿・補修成分が入った低刺激シャンプーで泡立てて摩擦を減らすように洗います。ぬるま湯でしっかりすすぎましょう。

3. 集中補修マスク(週1〜2回)

加水分解ケラチンやPPT、セラミド、ヒアルロン酸などがバランス良く入ったマスクを濡れた髪に塗布。シャワーキャップや蒸しタオルで5〜20分温めてから優しく流し、洗い流さないトリートメントで仕上げます。

4. 毎日の洗い流さないトリートメント

タオルドライ後、軽めのミルクタイプや少量のオイルを毛先中心に。外出時はUVプロテクトスプレーを忘れずに。

5. ドライと熱対策

ドライは低温で根元から乾かし、最後に冷風でキューティクルを引き締める。ヘアアイロン使用時はヒートプロテクト剤を必ず使い、温度は控えめに設定します。

6. 定期カットと月1回のスペシャルケア

枝毛は早めにカットして広がりを防ぐ。月1回程度、ボンド系のホームケアやサロンで高濃度トリートメントを取り入れると内側からの回復が早まります。

目的別おすすめアイテムの選び方

  • 集中補修マスク:加水分解ケラチン・PPT・セラミド配合。週1〜2回使用。
  • 洗い流さないトリートメント:デイリーは軽いミルク、乾燥が強ければオイルを少量。
  • ボンド系補修:内部結合を補修する製品。使用法・頻度を守る。
  • 低刺激シャンプー:SLSフリーで保湿成分配合のもの。
  • UVプロテクトスプレー:濡れた髪にも使えるタイプでこまめに塗り直す。

美容室でのプロケアが有効なケース

ホームケアで改善しない場合や切れ毛・枝毛がひどい場合は、サロンでの内部補修(コアミー・バイカルテ・TOKIOインカラミ等)や高濃度トリートメント、部分カットを組み合わせると効果的です。

プロの診断により髪質に合った処方を受けられるため、最短で手触りと強度が回復します。

日常でできる紫外線予防の習慣

  • 帽子やスカーフで直接の紫外線を遮断する
  • 分け目やトップ、耳まわりにUVスプレーをこまめに塗る
  • 海・プール後はすぐに真水で塩分・塩素を洗い流す
  • 強い直射(10〜14時)はできるだけ避ける

よくある質問(Q&A)

Q1:今からでも効果は出ますか?

A:はい。軽い乾燥なら1〜2週間で手触りの改善を感じ、内部損傷がある場合でも継続ケアで2〜3か月で大きな変化が期待できます。

Q2:集中マスクは週に何回が適切?

A:基本は週1〜2回。製品ごとの推奨頻度に従ってください。使いすぎは成分バランスを崩すことがあります。

Q3:ボンド系製品は誰でも使えますか?

A:多くの方が使用できますが、説明書どおりの使用頻度を守ること。極端なダメージがある場合はサロン施術を優先してください。

Q4:天然オイルは毎日使ってもいい?

A:少量なら毎日問題ありません。頭皮がベタつく場合は毛先中心に量を調整してください。

Q5:カラー髪でも補修できますか?

A:はい。カラー対応の補修マスクや色持ちを考慮した洗い流さないトリートメントを選べば、補修しながら退色を抑えられます。

Q6:熱ダメージと紫外線ダメージ、どちらを先にケアすべき?

A:同時にケアするのが理想ですが、まずは熱の使用頻度を減らしヒートプロテクトを徹底、そのうえで内部補修トリートメントを続けると回復が早まります。

夏の紫外線ダメージは蓄積しますが、毎日の保湿とUV対策、週単位の集中補修を継続すれば確実に改善します。

まずは今日からできるケアを始め、必要に応じてサロンでのプロ処方を取り入れて、毛先まで艶やかで扱いやすい髪を取り戻してください。